FMCにおけるEOについて

この記事はSpeedcubing Advent Calender 2015の2日目の記事として書かせていただきました。
1日目の記事は早稲田大学キューブサークルWRCCさんの「FMCにおけるEO以外について」でした。

今回はFMCにおけるEO(Edge Orientation)について紹介します。
EOの説明は難しいのでこちらを参照ください。→EO – Edge Orientation
簡単にいうと、
・U,D,R,Lの動きのみで正位置に揃うエッジはEOが揃っている
・U,D,R,Lの他にF,Bの動きを使わないと正位置に揃わないエッジはEOが揃っていない
ということです。
FMCでは最終的にコーナーのみが崩れた形を目標としているため、EOが直るように揃えていくことが必要となります。
FMCの基本的な流れは、2×2×2→2×2×3→F2L-1→ラストnコーナー、です。EOを考慮する場合は、このステップの合間合間のどこか1回でEOを直す作業を行い、その後のステップをEOを崩さないように揃えていきます。
EOを早めに揃えるメリットとしては、EOを直すとコーナーエッジペアが出来やすくなるケースが多い、というものがあります。
例を見てみましょう。

スクランブル:
解法:L' F' R2 L B' U L' B' R2 D' F L' R' B L R D2 B2 L2 U2
premoves F' D U2
223: F2
F2L-1: R D R D2 R
EO: B' D2 B
LL: D2 R D2 R' D2 R D2 R' D2

この例では、F2L-1後に3手でEOを揃えることでその後のペアを作りやすくし、LLskipを引いています。

・EOファースト
EOを解法の最初で揃えることをEOファーストと呼びます。
EOが4手以内で揃うとき、またはブロックビルディングがうまくいかないときには、EOファーストを試してみると良いでしょう。
ただし、EOファーストに固執してはいけません。
EOファーストは、繋がるときはめちゃくちゃ繋がりますが、その後が全く繋がらない場合も多いです。
経験則としては、EO後2×2×2が4手以内でできる、もしくは2×2×2後にペアが出来やすくなっているときのみEOファーストを使うのが良いでしょう。

・2×2×2時、または2×2×3時のEO
ブロックが出来てくるとその分制約が大きくなり、EOを直すには多くの手数が必要になってきます。そのため2×2×2以降にEOを直すのは、基本的に4手以内でEOが直るときに限ると決めた方がいいと思います。EOはあくまで1つの指標であるため、それだけにこだわるのはやめましょう。

・EOが直った2×2×2状態からの繋げ方
今、EOが直りかつ2×2×2状態であるとします。
例えばDLBコーナーの周りに2×2×2を作り、F面を基準としたUDRL系のEOを直したとします。このとき、その後の2×2×1ブロックをどこに作るかでその後の繋がりが変わってきます。

  1. DLFコーナーの周りに2×2×1を作った場合
    この場合、残りのエッジはRU回転のみで揃えることが出来るため、一番良いケースです。
  2. DRBコーナーの周りに2×2×1を作った場合
    この場合、残りのエッジはRULとF2で揃えることが出来ます。少々難しいですがペアは作りやすいでしょう。
  3. UBLコーナーの周りに2×2×1を作った場合
    この場合、残りのエッジが揃えにくい場所にあることが多く、ペアが作れても活かしにくいです。このパターンはやめた方が良いでしょう。

要約すると、2×2×1ブロックは3番の形にはするな、できれば1番の形にするように、といったところです。

いかがでしょうか。
EOを考えることはFMC中級者から上級者への一歩になると考えています。
みなさんもぜひFMCにEOという考えを取り入れてみてください。